6月の雨

降り始めの雨が、夏の匂いを運ぶ。

よつはとの夜の散歩中、霧吹きで吹かれたような細かな雨のシャワーが顔に当たる。あまりに細やかで軽やかな雨粒だから、まだ地面に何も感じさせない。
しばらく散歩を続けると、雨粒が大きくなってきたことを感じる。すると、途端に乾いた土から、雨の匂いが立ちのぼる。

好きな匂いだ。これから梅雨になってしまうけれど、お日様が照った後の雨の降り始めはいい匂いがする。

特に夜にそれを感じるなんて、いい気分で散歩続行。でも、雨の匂いは消えて行ってしまう。雨脚が強くなるから。
びしょ濡れになる前に帰ろう。