名もなき子へ

あるいは、誰かには「たまちゃん」だったかも。
「ちび」だったかも。
「みー」だったかも。

私には、名もなき、哀れな1匹の猫。
<読む人によっては、気分を害するかもしれない。嫌な人は、ここまでにして>

道路で死んでいたね。あまりにも酷くて、車を止めて撫でてあげることも、これ以上の冒涜を受けないために路肩によけてあげることもできなかった。ごめんね。本当にごめんね。自分がとてつもなく無慈悲に思えて、情けなかった。
車から一瞬見えた君の砕けた顔が、今も忘れられない。周囲の「動」に比して、あなたの「静」はとてつもなく、大きくて、悲しくて、不思議で・・。心にじわじわとこみあげてくる。

誰かの「たま」だったかもしれないあなた。
私の「ちび」になるかもしれなかったあなた。

この悲しみは、消さないよ。

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