カマキリの受難

お風呂に入っていたら何かが浮いているのが見えた。めがねを取ると全く視力が弱く何だかよく分からずに手ですくったら・・カマキリだった。体調2cmくらいのまだ茶色の子供だった。線の様に細い。湯船に漬かってしばらくたったらしくダラーンとして全く動かない。左手の中指に静かに乗せて息を吹きかけた。水が乾くといいと思って。5分ほど見つめていたけれど何も変わらない。

死んでしまったか・・・・

と、諦めた瞬間。

お腹がピクリと動いた!・・・気がした。

もう一度息を吹きかけた。またピクリと動く。慌ててお風呂から出て吸収の良いティッシュに乗せた。体の一部でも傷つけないように楊枝を使って指からそっと離したりして・・・。
それから10分後、全く動かなくなってしまった。やはりダメだったかと半泣きしてたら、今度は張り付いていた触覚がヒラリと広がった。あぁ、やっぱりまだ生きているんだ。
しばらくたって、カマキリが、カマキリらしい姿かたちを取り戻したのを確認して、ティッシュに載せたまま庭の安全な場所に退避させた。

朝、その場所にいったらまだティッシュの上に小さなカマキリはいた。そっと指を差し出したら、ちょこちょこ乗ってきた。とても可愛かった。庭のドクダミの葉の上に乗せると、そのまま奥の葉へと移っていった。。
幸せな瞬間だった。