や、焼きいも?
うつ伏せに寝っ転がった私の背中に抱き着いて子供が言った。
「ママの背中、何だかホクホクであったかいね!」
え!?私、焼きいも?
漠然とした不安感から眠れない・・・。
午後は、私は仕事。子供は塾のハロウィーンへ。赤い髪の魔女になって出かけて行った。
仕事は、悪天候の中、母校に戻ってきてくれたOBとOG達に感謝いっぱいの一日でした。
ママ、私ね、大きくなったらアメリカに行くの。
そしてね、女同士で結婚するの!!
おっ、いいねぇ~。
アメリカは、どの州でも同性同士で結婚できるんだよ。
子供が大人になるころには日本でもそういう事が法律でも認められるようになっているかな?
夫婦別姓だって、全然認められないんだから、同性婚なんて夢のまた夢?
お前だと思わなかった。
金曜日、忘れ物を取りにお昼に家に帰った時、近所をフラフラと歩く黒猫を見かけた。
最近よくご飯を食べにくる野良の黒猫に似ていたから、車から降りて駆け寄った。
ほんの数メートルの距離を時間をかけて、足元がおぼつかない危なっかしい歩き方だった。
相当弱ってる・・。もしかして・・。
捕まえられそうだったけど、近所の裏庭に入ってしまったのであきらめた。
ご飯を食べに来るだろう、と、土曜日捕獲機を仕掛けることにした。
朝、起きるのが遅く、相方に9時ころ捕獲機を裏庭においてもらう。
何度見に行ってもかかっていない。
ふと、捕獲機の横の茂みを見たら、黒い躯が横たわっている。「くろ?くろ?」声をかけた。
身動きしない。
既に冷たくなっていた。
昨年保護した子猫たちのパパ?
いや、最近来る黒かな!?
抱っこして顔をみても、わからない。でも表情は安らかだった。そして重い。
どっちにしても悲しい・・。悲しい・・。
死に場所を我が家のご飯置き場の隣にするなんて、うちが大好きだったんだね・・と声をかけてそのそばに埋めることにし1た。
今日、死んだのがクロパパだと判明した。
夜、野良の方の黒がご飯を食べに来た。
思えば、1週間前、リビングの窓に近づいて、ニャーと鳴き、「入れてよ、おばちゃん」と言っているようだったので、網戸を開けて「いいよ」と言ってみた。でも、上がって来てはくれなかったけどね。そんなことが何度かあった。挨拶が楽しみだった。
保護した黒猫姉妹と同様、人懐こいタイプ。何度か頭を撫でたよね。もう少しで家猫になれたかも、なのにね。
不調を訴えていたのか、事故なのか、何か悪いモノでも口にしたのか・・。
でもね、家の裏庭を選んでくれてありがとう。
埋めたところに、アジサイを植えるよ。きっときれいに咲いてくれるよね。
助けられなくてごめんよ。
クロパパ・・。