さようなら、こなら。
2002年、愛くるしい三毛のこならは、獣医さんからやってきた。
小さくてフワフワで、そして少し体が弱かった。臆病な子だったけれど、私に良く懐いてくれた。大人になったら、ツヤツヤの美人猫に成長した。ぽっちゃりとして、でも小食で、好きな魚は私の手からよく食べてくれた。
10歳を過ぎたころから、耳の調子が悪くなり、抱っこしてよく耳掃除をしたな。13歳になってからも、毛艶は変わらず、ふっくらとしてかわいいままだった。
別れはとてつもなく突然やってきた。
子供の喉の調子が悪く、医者によってから帰宅したその夜、普段は階段の踊り場が定位置のこならが、居間のど真ん中にいた。見たこともない奇妙な格好で。グニャリと体が曲がり、足が突っ張っていた。急いで抱き起した。立てないし、歩けない。
明日、朝一番で医者へ行こう。でも、持たないかもしれない。このままこならと一緒に寝よう。と夜通しの看病を決めた。優しくブラッシングをして、顔を拭いた。冷却パッドを頭の下に置いて枕にしたりした。一時、呼吸が落ち着き、とても安らかな表情になった。これなら明日朝まで大丈夫かもしれない、と希望を抱いた。少しウトウトし、ハッと気が付きこならを見ると顔から表情が消えていた。口を開け、呼吸をし、時々ハァーと悲しい声で鳴く。「こなちゃん、こなちゃん」と声をかけ、昔話を聞かせた。かわいかったよね~、小さかったよね~。布団の中ではまたぐら派で、よく私の足の間に潜り込んで寝てくれたよね。私の感情の変化を感じると、真っ先に隠れたよね。子供が出来てからは、すごく遠慮して、一緒に寝ることもなくなったよね。我慢させてごめんね。苦しいなら、もう待たなくていいよ。天国にいっていいよ。。。。
久しぶりの添い寝が、最後の添い寝になるなんて。
こなら、あっけなく天国へ。26日4時45分。かわいい三毛の部分の毛をカットした。ロケットに入れるよ。ずっと持ってるから。
まだ、そばにいるような気がする。